鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
「……」

特に何を言うでもなく、パイプ椅子から立ち上がった谷口。

彼は分隊長である小川に一礼した後、自らの部屋へと戻っていった。

(まだ隊に馴染むには時間がかかる…か…)

内心溜息をつく小川。

志願して入隊した第一空挺団を追い出されたという出来事は、谷口にとって相当深い傷を残しているようだ。

すぐに忘れろとは言わない。

確かに戦術自衛隊上層部の仕打ちは、谷口にとってはきついものだったろう。

しかし少しでも早く前向きになり、同じ隊の一員として打ち解けて欲しいのだが…。

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