鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
小川の報告を聞き、テレビ画面の中の陸上幕僚長は腕を組む。

『小川三等陸曹、実際に遭遇し、交戦した本人として、そのカマドウマという生物にどういった印象を受けた?』

「……」

陸上幕僚長の質問に、小川は一旦間を置く。

「…正直に申し上げますと、非常に危険な生物との印象を受けました。銃火器による射撃を恐れず、群れで行動し、訓練を受けた戦術陸上自衛隊員の身体能力を上回る動きを見せ、あまつさえ脱皮して二足歩行形態になった時には、我が隊の空挺隊員をも凌駕する凶暴性と戦闘能力を発揮しました…万が一人口の過密した都市圏などに出没した場合、甚大な被害が予想されるかと」

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