鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
離島から約5キロ地点。

再びいそしおは浮上する。

ハッチを開け、水泳斥候用装備一式を装着して出てくる小暮。

ここからは自力遊泳。

約5キロの距離を、泳いで離島に接近しなければならない。

M16アサルトライフルや予備弾薬など、決して軽くない装備品を身につけたままで泳ぐ小暮。

水泳斥候用装備があるとはいえ、楽な事ではない。

離島対処即動部隊WAiRの隊員である、小暮の技量が窺えた。

…離島に近づくにつれて、小暮の動きは慎重になる。

足が届く深さになると、それはより顕著となった。

水音を立てないように、ギリギリまで水中に身を隠すように。

水の中で陸地の状況を確認する。

海岸にカマドウマの姿はないか。

上陸前にこちらの姿を発見されては、任務失敗どころか小暮の命さえ危うい。

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