鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
そしてその冷静さを欠いてしまった事が、油断に繋がる。

「!?」

突き刺すような殺気に気づき、咄嗟に振り向く小暮。

気がつけば人型カマドウマが、僅か数メートルの距離にまで接近している!

鋭い両手の爪、そして牙を剥き出しにし、飛び掛かってくる人型!

小暮は即座に振り向いて、M16アサルトライフルのトリガーを引く!

獣の咆哮のような音を立てて5.56ミリ弾を吐き出すM16。

人型は至近距離で鉛の弾を叩き込まれ、瞬時にして絶命する。

そう、小暮ほどの隊員ならば、人型一匹仕留める事など何の問題でもない。

問題なのは、M16にはサプレッサー(銃の発射音と閃光を軽減する為の筒状の装置。銃身の先端に取り付ける形で使用される。発射音の抑制を主な目的とする)など装着されていないという事。

銃声によって、周囲にいる他のカマドウマ達に小暮の存在が知られてしまったのだ。

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