鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
「くっ…」

歯噛みしつつ、ジリジリと後ずさる小暮。

カマドウマ達は、少しずつ包囲を狭めていく。

最早打つ手なし。

丸腰同然となった小暮に、カマドウマ達が牙を剥く。

それでもサバイバルナイフを抜き、小暮は構える。

89式多用途銃剣よりも使い勝手がいいと、小暮が個人単位で購入したサバイバルナイフの切れ味を、こんな所で試す機会が来るとは思わなかった。

尤も、試すだけで終わる事になりそうだが。

「来い、一匹でも多く道連れにしてやる」

決死の覚悟でナイフのグリップを握り締める小暮。

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