鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
だが、数体の擬態型を仕留めたのと引き換えに。

「!!」

麗華は慌ててバスの車内に身を隠す。

対人狙撃銃の弾である7.62ミリ弾が切れた。

もう狙撃銃は使えない。

「くっ…」

仕方なくサイドアームの9ミリ拳銃に持ち替える麗華。

射程も威力も、対人狙撃銃に劣る銃火器だ。

どこまで持ち堪えられるか…。

そうしているうちに。

「っ!」

豊田のMP5も弾薬が尽きた。

彼女もまた、9ミリ拳銃に持ち替える。

窓から外の様子を窺うと、まだ相当数の擬態型が見えた。

89式小銃を構え、こちらを狙う姿が確認できる。

とても二人…しかも拳銃で対処できる数ではない。

「谷口君…もう無理だよ…!」

豊田が唇を噛み締める。

< 227 / 650 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop