鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
と、その時だった。

『豊田、麗華、待たせてすまん』

麗華の無線機に届く小川の声。

顔を上げて窓の外を見ると、バス周辺に陣取る擬態型の群れを蹴散らし、一台の装輪装甲車が突入してきた。

軽装甲機動車。

戦術自衛隊では『ライトアーマー』という愛称で呼ばれる装甲を施した大型四輪駆動車である。

運転するのは小暮、ナビシートには小川、車体上面ハッチに取り付けられた防楯付き銃架の5.56ミリ機関銃MINIMIを乱射するのは谷口。

ライトアーマーはその銃撃と、突進による体当たりで擬態型の集団を次々と倒していく!

圧延鋼板の装甲と防弾ガラスによって擬態型の銃撃をものともせずに、豊田達の篭城するバスに接近したライトアーマー。

「豊田、麗華、乗れ!」

叫ぶ谷口に、豊田は今すぐにでも抱きつきたい衝動に駆られた。

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