鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
これには小川も目を丸くする。

いつも仏頂面、分隊長という立場上隊員達にはきつく当たり、鬼軍曹のように思われているだろうと考えていた自分が、分隊最年少、戦術自衛隊内でも豊田と並んでアイドルのように持て囃されている麗華に食事の誘いを受けるとは。

「…俺を飯に誘っても、査定は上がらんぞ?」

「違いますよっ!もうっ!」

何か他意があっての事かと思い勘繰ってみるが、麗華の機嫌を損ねただけだった。

純粋に厚意からか。

それは悪い事をした。

尤も、小川は『厚意』と『好意』を勘違いしているようだが。

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