鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
見た事もない敵。

あまりにも漠然とした説明だ。

とりあえず負傷者達を医務室に搬送した後、改めて小暮は衛生科の隊員から話を聞く。

…哨戒任務中の隊員達を襲撃したのは、単独行動の敵だったという。

銃火器は身につけておらず、近接戦闘用の武器のみを装備していたらしい。

しかもその武器というのが銃剣やナイフではなく、鉄製の鉤爪やバール、棘付き鉄球の連結した鎖分銅など、カマドウマや兵士とは似ても似つかない、まるで殺人鬼のような姿だったという。

2メートル以上の体躯の持ち主で、全身焼け爛れたような皮膚。

一言で言うなら『怪物』だった。

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