鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
髪の毛をグシャグシャにされ、頭皮に指が食い込む。

万力に頭を締め上げられているような激痛!

完全に麗華の足は地面から浮き上がり、宙にぶら下げられている。

その様子を見ながら。

「な…何なのコイツ…!」

豊田は率直な感想を口にした。

小川分隊の目の前に突然現れ、麗華を捕らえたのは、正体不明の怪物たった。

身長は2メートル以上、全身の皮膚は焼け爛れた上に蒼白く、頭皮などは垂れ下がって顔の上半分を覆い尽くしてしまっている。

その頭には、鎖の繋がった鉄杭が突き刺さっていた。

体には黒革の衣服。

見ようによっては拘束衣のようにも見える。

両手には籠手のようなものをはめており、それぞれ右手の甲には金属製のバールと鎖分銅が二本、左手の甲には鉤爪が装着されていた。

左肩には、まるでギロチンのような三日月形の刃。

恐らくは体当たりの際に使用する武装なのだろう。

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