鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
カツン、と音を立てて地面を転がる鉄帽。

その傍らに。

「っっ…」

素早く左手を回避し、前回り受身で体勢を立て直す小川の姿があった。

鉤爪が掠めたのだろうか、左頬に切り傷が出来ている。

そして目の前の硝煙の中から、ゆっくりと怪物の醜悪な姿が現れると。

「あんなに撃たれたのに…!」

豊田に体を支えられたまま、絶句する麗華。

反射的に銃を構える谷口と小暮。

「豊田は麗華と共に軽装甲機動車の所まで行って、車を回してくれ。その間、俺と谷口と小暮三等陸曹で奴を足止めする!」

鉄帽を拾い上げて被り直しながら、小川が指示を出した。

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