鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
「最低でもM203(グレネードランチャー)装備のM4カービンとか特殊小銃(H&K HK416)が欲しいですね…特殊作戦群隷下になったんだから、小川分隊にもそういう装備が貸与されてもいいと思うんですが」

谷口がそれとなく不満を口にする。

確かに小川分隊はエリート部隊に昇格したにしては、装備品が充実していない。

最前線に立たされる部隊としては厳しいものがある。

「いや、あの化け物相手に小銃じゃ役不足だな…麗華の持ってる7.62ミリ弾の対人狙撃銃…もっと言えば対物狙撃銃(アンチマテリアルライフル)が必要かもしれない」

小川の言う対物狙撃銃とは、かつての対戦車ライフルに相当する大型の銃である。

重い大口径弾の優れた弾道直進性を活かして、一般の小銃弾を使用する狙撃銃を遥かに上回る距離で狙撃を行える。

また大口径弾の貫通力を生かして対車両攻撃にも使用され、使用弾種にも依るが土嚢や壁などの障害物に隠れる敵を殺傷する事も可能である。

対人射撃では、2キロ先の人を撃って上半身と下半身とが両断して吹き飛ぶ程の威力がある。

12.7x99ミリNATO弾を使用する軍用対物狙撃銃『バレットM82A1』など理想的だろう。

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