鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
「そこで我々の今回の任務は、逃走が確認されたこの秋葉原駅前より地下鉄入り口に潜入、擬態型のアジトの有無を確認、存在するようならばその正確な位置をHQに報告後、速やかに撤退する」

半年前の離島上陸作戦の時と違い、今回は小暮一人を潜入させるという事はしない。

地下という事でヘリや舟艇による救出は不可能な為、単独での潜入は危険すぎるのだ。

「先日要請したM4カービンやカールグスタフM3は?」

咥え煙草のまま小暮が言う。

「…東部方面隊だけに限らず、どこの方面隊も現在カマドウマによる被害を受けて、武器弾薬が著しく不足している状態です。強力な装備はなかなか揃わないのが現状なんです、理解して下さい」

小川が言うと、小暮は溜息と共に紫煙を吐き出した。

< 294 / 650 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop