鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
年甲斐もなくはしゃぐ小暮を見ながら。

「嬉しそうですね、小暮三等陸曹」

麗華は小川の傍らで対人狙撃銃を点検する。

半年前の地下鉄構内での戦闘で、バレットM82対物狙撃銃は失ってしまった。

結局麗華の愛銃は、この対人狙撃銃のままだ。

「ああ…今回の任務は紛争地帯での作戦行動だからな…小暮三等陸曹の言う『戦闘は火力』というのも、あながち間違いではない」

仏頂面で89式小銃の点検をする小川。

彼はいつでもそうだ。

任務に対して真摯で、いつでも真面目に取り組む。

彼の姿勢は立派だと思うし、だからこそ麗華は彼に好感を抱いている。

だから。

「あの…小川分隊長」

点検の手を止め、麗華は小川の顔を見る。

「今回の任務が終了したら…私と…その…お付き合いしてもらえませんか…?」

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