鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
驚いたように見開かれる小川の目。
厳しい表情が、僅かに、だが確かに綻ぶのを麗華は見た。
しかし。
「何を言っている」
その表情がすぐに引き締まり、小川は麗華を窘める。
「今考えるべき事は何だ?集中すべきは何だ?任務の事以外に差し挟む余地はない筈だぞ。公私を弁えろ。それに…」
愛銃に視線を落とす小川。
「俺はお前を部下としてしか見ていない。それ以上でもそれ以下でもない」
「…………!」
麗華の瞳が一気に潤む。
「申し訳…ありません…」
声を震わせ、すぐにその場を離れる麗華。
「……」
89式小銃の分解、点検、組み立てが終わり。
「…すまない」
小川は一人小さく呟く。
麗華の気持ちは嬉しい。
しかし小川は器用な男ではない。
任務の事以外に差し挟む余地はない。
それは彼自身にとっては本当の事なのだ。
厳しい表情が、僅かに、だが確かに綻ぶのを麗華は見た。
しかし。
「何を言っている」
その表情がすぐに引き締まり、小川は麗華を窘める。
「今考えるべき事は何だ?集中すべきは何だ?任務の事以外に差し挟む余地はない筈だぞ。公私を弁えろ。それに…」
愛銃に視線を落とす小川。
「俺はお前を部下としてしか見ていない。それ以上でもそれ以下でもない」
「…………!」
麗華の瞳が一気に潤む。
「申し訳…ありません…」
声を震わせ、すぐにその場を離れる麗華。
「……」
89式小銃の分解、点検、組み立てが終わり。
「…すまない」
小川は一人小さく呟く。
麗華の気持ちは嬉しい。
しかし小川は器用な男ではない。
任務の事以外に差し挟む余地はない。
それは彼自身にとっては本当の事なのだ。