鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
とても戦術自衛隊を組織する上層部の意見とは思えない。

あまりにも荒唐無稽な見解。

しかし司令部には司令部なりの考えがあった。

『確か谷口一等陸士は、日本人ではないのだろう?』

その言葉に、小川は司令部の思惑を悟る。

谷口は確かに日本人ではない。

『ならず者国家』とも呼ばれるアジア某国の出身。

過去に何度も日本人拉致や、日本国内へ工作員を送り込むなど、犯罪行為を繰り返している。

そんな国の人間ならば、生物兵器を日本国内に持ち込んでいてもおかしくない。

司令部はそんな差別と偏見で谷口を見ていた。

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