鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
馬やラクダに騎乗し、発砲しながら追跡してくるジャンジャウィードの民兵。

砂避けの衣から垣間見えるのは、殺意に染まった眼差し。

そしてその眼差しに紛れて、鮮血の色の瞳がこちらを凝視する。

ディアボだ。

奴らに捕まったらもう命はない。

仲間や先輩隊員のように、命乞いすら無視されて頭を撃ち抜かれる。

そんなのは御免蒙る!

時折振り向いてM4カービンを発砲しながら走る隊員。

だがこちらは自分の足なのに対し、相手は馬やラクダだ。

どちらが速いかは言うまでもない。

どんどん詰まっていく距離。

間もなく追いつかれる。

馬上から81式自動歩槍を構えて狙いを定めるディアボ。

「っっっっ…」

隊員は覚悟を決める。

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