鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
そんな思惑があっての『谷口 誠一等陸士の拘束及び引き渡し』。

無論小川は納得できない。

何の根拠もなく…ただ谷口が日本人ではないというだけでの嫌疑。

通達に従うには、あまりにも抵抗があった。

小川分隊に配属された谷口とも交流を図り、隊の仲間として共に協力し合おうと決めたばかりだ。

そんなつまらない理由で、仲間を疑ったり隊内から外したり。

馬鹿げているにも程がある。

「お言葉ですが」

小川は意見を返す。

「せめてあの生物の調査結果が分かるまで…人為的な痕跡があるかどうかはっきりするまでは、谷口の拘束及び引き渡しは待って頂きたい」

< 39 / 650 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop