鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
圧延鋼板と防弾ガラスの装甲を持つ軽装甲機動車の車体を叩く甲高い音。

追っ手のジャンジャウィード民兵達が発砲している。

81式自動歩槍の7.62ミリ弾が車体に命中しているのだ。

軽装甲機動車とて戦車ではない。

あまりに射撃が集中すると危険だ。

「谷口!」

ナビシートに搭乗していた分隊長の小川が指示を出す。

「はいっ!」

その一言だけで伝わったのか。

四人乗りの軽装甲機動車の中に六人も乗って犇き合っている中、谷口は車体天井のターレットハッチを開け、後部座席間の機関銃座についた。

車体上面ハッチに全周旋回可能なターレットと防楯付き銃架が取り付けられており、5.56ミリ機関銃MINIMIが据え付けられている。

谷口はその機関銃を追っ手の方に向け、追跡を振り切るべく迎撃する!

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