鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
「…俺達先遣隊も詳しい事は分かっていませんが…」

そう前置きした上で、隊員は話し始める。

「ジャンジャウィードに支援をしているスーダン政府が、PMSCsを雇って非アラブ人の虐殺を繰り返している…そのPMSCsが所有する『兵器』として、ディアボを持ち込んだようです」

「PMSCs…民間軍事会社か…」

小暮がハンドルを握ったまま呟く。

直接戦闘、要人警護や施設、車列などの警備、軍事教育、兵站などの軍事的サービスを行う企業であり、新しい形態の傭兵組織。

かつてのような単なる戦争屋や傭兵集団といった悪いイメージは払拭されつつあるものの、やはり戦争を商売にしている事に違いはない。

しかしディアボのような、いわば『生物兵器』を紛争地帯に持ち込むPMSCsが存在するとは…。

「悪質ね…一体どこのPMSCsかしら」

豊田が嫌悪感を露わにした表情で言う。

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