鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
宿営用天幕に入り、休息をとる小川達。

「まずはきちんと傷の手当てを受けた方がいいよ、応急処置しかしていないから」

麗華が隊員に対して言う。

「ああ、有り難う…」

隊員はどこか沈みがちだった。

無理もない。

共に行動していた部隊の仲間を全員喪ってしまったのだ。

生き残っている自分が、僅かな傷程度をどうして気にしていられよう。

しかし。

「気に病む事じゃねぇ」

小暮が隊員に対して言う。

「……」

俯き加減の隊員。

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