鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
もう一度コーヒーを啜り、小川は椅子の背凭れに寄りかかる。

何か引っ掛かるものがある。

いわゆる戦災孤児だった三浦。

紛争や内戦が頻発しているアフリカ諸国ではよくある話だ。

決して許される事ではないが、珍しい事でもない。

両親を喪ったものの、生きて人権団体に保護されただけでも、三浦は幸運だったと言える。

だが…。

面接時の言葉。

『自分には戦闘(これ)しかないから』

その言葉に、小川は違和感を拭えなかった。

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