鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
しかし、麗華に届けられたこの銃には『試作型対戦車狙撃銃』とはっきり銘打たれている。

「とりあえず試射してみたら?その為に麗華に送られてきたんだろうし」

豊田の言葉で、隊員達は試射に支障のない場所へと移動する事にした。

好都合にダルフールの北部には砂漠が広がっており、銃を撃った所で誰にも被害は及ばない。

銃火器のテストにはもってこいの場所だった。

移動する間に、麗華は添付されていた対戦車狙撃銃の諸元に目を通す。

使用弾薬は14.5x114ミリ弾。

装弾数は30発と、狙撃銃としては多めだ。

作動方式はショートリコイル。

有効射程は2000メートル。

口径こそ個人携行ライフルとしては最大級だが、諸元だけ見れば、よくある対物ライフルと大差はない。

にもかかわらず、わざわざ『対戦車狙撃銃』と銘打った理由は何故なのだろうか。

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