鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
あと1キロほどで、ミトゥが見えてくる。

「ボートのエンジンを切れ」

周辺地図を弾帯のポーチに入れながら、小川が言う。

エンジン音でこちらの接近を特定されるかもしれない。

無音で街に接近する必要があった。

…河の流れに乗って、ボートの床に伏せて身を隠しながらミトゥに接近する。

「どうだ、谷口?」

小暮が小声で問いかける。

「……」

双眼鏡を覗く谷口。

「いますね…AKを持ったディアボ達が河岸を警戒しています…恐らくは河川哨戒艇を撃沈したのがもう知られているんでしょう」

「やっぱりか…」

歯噛みする三浦。

このままボートでミトゥに接近するのは自殺行為だ。

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