鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
生きた心地のしなかった河の中の移動。

しかし全員無事に対岸へと泳ぎ切る事ができた。

「くそっ…!」

陸に上がった小暮が、首筋辺りに手をやる。

見れば大きな蛭が張り付いて、彼の血を吸っていた。

恐らく水中を移動している時に張り付いたのだろう。

小暮だけではない。

谷口にも、豊田にも。

「~~~~っっっっ!」

豊田が悲鳴を上げそうになるが。

「しっ!」

谷口が慌てて口を塞いで止める。

「大丈夫だ、今取ってやるから」

こんな所で悲鳴でも上げられたら、折角無事河を渡り切ったのが文字通り水の泡になってしまう。

「銃や弾薬を点検しろ、正常に作動しないようなら迅速にメンテナンスを行え。銃撃戦の途中でジャム(弾詰まり)でも起きたら命取りだぞ」

小川が指示を出した。

< 538 / 650 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop