鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
徐々に日が暮れてくる。

虫や野鳥の鳴き声以外は聞こえないジャングルの中。

「……」

三浦は木の根元にしゃがみ、M4カービンを握り締めて見張りをしている。

疲労もある、眠気もある。

しかし見張りを疎かにする事は部隊を全滅に晒す事にもなりかねない。

集中力だけは途切れさせる訳にはいかなかった。

と。

「三浦君」

「っっっ!」

突然肩を叩かれ、三浦は咄嗟に銃口を背後に向ける。

「わっ…びっくりしたぁ…」

見れば後ろに麗華が立っていた。

「ビックリしたのはこっちだ…いきなり肩叩くなよ…」

余程集中していたのだろう。

三浦は安堵の溜息をこぼした。

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