鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
「何だ、寝ていなかったのか?少しは眠らないと回復しないぞ…こんな場所じゃ熟睡は出来ないだろうがな」

三浦が言う。

小暮などは相当神経が図太いのか、草むらの中でもイビキをかいていたが。

「うん、後でちゃんと寝るよ…それより三浦君、食事まだでしょ?」

麗華はそう言って、持ってきた戦闘糧食を三浦に差し出す。

「…わざわざ持って来てくれたのか?」

「ミトゥの街で橋の下を通過する時、私の手を握り締めて安心させてくれたでしょ?…あの時のお礼…かな」

照れ臭そうに呟く麗華。

「じ、じゃあ私、小川分隊長にも食事渡してくるねっ」

彼女はそそくさと去っていった。

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