鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
「それにな」

谷口は続ける。

「豊田や麗華は平和な日本で生まれ育って、戦争や実戦とも無縁…確かにそうだ。だからこそ、戦術自衛隊に入隊したんじゃないか?」

「え?」

解せないといった顔の三浦。

「平和で戦争や実戦と無縁…そんな国が好きだから、ずっとそんな平和を維持していたいから…だから自分の手でこの国を守りたいと思ったんじゃないか?戦争が日常だなんて、生まれ育った環境のせいにしている俺達より、ずっと崇高な志を持って、あいつらは任務に就いているのかも知れない」

反戦団体に反発を受ける事の多い戦術自衛隊。

だが頭ごなしに反発し、批判をする者達より、彼らは高い意識で国防を考えているのかもしれない。

反戦団体と戦術自衛隊、どちらが正しい間違っているという事ではない。

ただ、どちらも同じ。

手段こそ違えど、どちらも愛国心に満ち、平和を誰よりも願っているのだ。

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