鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
またも天を煽ぎ、咆哮を上げる生体兵器。

空気を震わすその雄叫びは、まさしく魔物の嘶き。

一部の人間の悪魔の所業によって生み出された禁断の生命。

その許されざる命が今、小川の命を食らい尽くそうと向き直る。

一歩踏み出す度に滴り落ちる、どす黒い血。

生体兵器とて、決して無傷ではない。

こうなれば、もう本能しかない。

生き延びようとする生物としての本能が、勝敗を決する。

そして、見苦しいまでに生存への、そして目の前の敵を殺そうとする本能を剥き出しにして突進してくる生体兵器に。

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