鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
爆発の炎、煙がおさまると同時に、パラパラと降り注ぐ生体兵器の肉片や骨片。

原形を留めないまでに砕け散ったその姿を確認した事で。

「……」

小川は弾頭を撃ち放ったRPG-7を投げ捨てる。

そのままフラリとよろめき。

「おっと!」

小暮にその体を支えられた。

「大丈夫かよ、お前…無茶しやがって…」

「…申し訳ないです…」

疲労困憊の表情で詫びる小川。

「いいって事よ」

小暮は小川の88式鉄帽を取り、その頭をワシャワシャと掻き乱す。

「俺ぁお前より年上なんだ、分隊長だからって気張らず、頼りゃあいいんだよ」

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