鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
再び谷口。

彼は豊田を追って山道を駆け下りる。

一歩踏み出す度に泥水が染み出してくるほど地盤が緩んでいる山道。

走りにくいのは当然だが、そんな事を言っている余裕はない。

谷口達と違い、まだ豊田はカマドウマとの交戦経験はないのだ。

空挺隊員である谷口でさえ手こずる相手。

豊田一人で応戦するのは危険すぎる。

「豊田!」

急いで山道を降りていくと。

「谷口君!」

9ミリ拳銃を握り締めたまま、素早く周囲を跳ね回るカマドウマに翻弄される豊田の姿を見つけた。

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