鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
戦争
野外において患者収容、手術、医療行為に使用する病院天幕の中。
「いつっ…つぅ…」
谷口が上半身裸のまま、背中の裂傷の治療を受けている。
鍛え上げられた広背筋に深々と刻み込まれた、生体兵器の鉤爪の三本の傷痕。
出血もかなり多く、もう少し処置が遅ければ輸血の必要すらあったらしい。
現在医官によって縫合処置中だ。
「うわぁ…痛そう…」
傍らで見ていた豊田が、顔を顰める。
心配で治療に付き添ったものの、血や傷口を直視するには堪えられないのか、時折視線を逸らす。
「外で待ってればいいだろう」
思わずそんな事を呟く谷口に。
「動かないで、上手く縫合できませんから」
医官が言う。
「…早いとこお願いします」
谷口も痛いのは苦手のようだった。
「いつっ…つぅ…」
谷口が上半身裸のまま、背中の裂傷の治療を受けている。
鍛え上げられた広背筋に深々と刻み込まれた、生体兵器の鉤爪の三本の傷痕。
出血もかなり多く、もう少し処置が遅ければ輸血の必要すらあったらしい。
現在医官によって縫合処置中だ。
「うわぁ…痛そう…」
傍らで見ていた豊田が、顔を顰める。
心配で治療に付き添ったものの、血や傷口を直視するには堪えられないのか、時折視線を逸らす。
「外で待ってればいいだろう」
思わずそんな事を呟く谷口に。
「動かないで、上手く縫合できませんから」
医官が言う。
「…早いとこお願いします」
谷口も痛いのは苦手のようだった。