鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
とにかく今日は疲れも溜まっている事だろう。

見張りは谷口が引き受け、豊田に睡眠を勧める。

川岸でお世辞にも寝心地のいい場所とは言えないが、少しでも横になっていれば体力は回復する。

火のそばで体を横たえる豊田。

「…眠るまで、話をしていていいかしら」

「…ああ」

豊田と視線を交わす事なく、谷口は火を見つめている。

「…谷口君は、日本人じゃないのよね…じゃあ谷口 誠って名前は、日本国籍を取得してから…?」

「……」

「言いたくなければ、別にいいけど」

「…その通りだ」

豊田の問いかけに、谷口は頷く。

< 94 / 650 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop