鉄の救世主Ⅱ(くろがねのメシアⅡ)
その時だった。

「!?」

谷口は突然豊田を突き飛ばし、立ち上がって素早く89式多用途銃剣を抜く!

「谷口君っ?」

「伏せてろ豊田」

銃剣を逆手持ちに構え、姿勢を低くする谷口。

…彼の視線の先には、カマドウマがいた。

丸い眼を爛々と赤く輝かせるカマドウマ。

だが。

「……?」

普段は群れで行動する筈のカマドウマが、どういう訳か一匹しかいなかった。

川岸の大きな岩の上で、威嚇するでもなくじっとしている。

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