“ヒカリへの道”




これじゃ、あいつと同じじゃん…


保護者席の方に視線を移すと、まるでどうでもよさそうに座っている母親。


見慣れてるはずなのに、少し心が傷んだ。


私は要らない子。

私は要らない子。


自分に言いつけるように、何度も心のなかでは呟いて、落ち着かせる。


長い文をなんとか読み終えて、席へと戻るまで何度も、何度も呟く。


私は要らない子。

私は要らない子……



席につくと担任の紹介が始まった。


「1年3組は、大鷹有吾先生です」


自分の組の先生だけを確認し、後は聞き流す。











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