My sweet heart
タイトル未編集
春。二年生になった私、雨川さくらは今、入る委員会を選んでいる。
(…どうしようかな、やっぱり放送委員は人気あるよね……。えーと…。)
名札を貼ろうとすると、私の他にもう一人、名札を貼ろうとする右手が見えた。
「明里!」
私は思わず、その名前を口に出した。
それが、親友の明里(あかり)だったから。
「さくら!やった!委員会一緒!わーい!」
「明里、まだ決まった訳じゃないから!」
「でもでも、定員が2人だからほぼ確定ー……って…、男子一人いるね…。」
ほんの数秒前まではあんなにはしゃいでいた明里なのに、私と2人じゃ無いと分かった途端しょんぼりしてしまった。
「私も明里と2人で委員したかったけど、しょうがないよ。男女1人ずつだもん。」
「そっかぁ…。」
…確か去年は、明里が委員会譲ってくれたんだよね。
今年はお礼として、譲ろうかな。
…それに、この男子が一緒なら、明里喜ぶよね。
「いいよ、明里がやって。去年譲ってくれたし。それにほら!男子は優希くんだよ⁉アプローチするチャンス‼」
優希(ゆうき)くんとは、今の明里の想い人。
「え…それは有難いけど…でもさくら、いいの?」
「うん!」
「ありがと、さくら。頑張るね!」
明里の恋路をすすめ、また委員会一覧をみると、余っているのは図書委員だけ。
仕方なく、そこに名札を貼る。
もう1人の委員は、クラスのムードメーカー、岡坂 雄大(おかさか ゆうだい)くんだった。
そして挨拶をしようと岡坂くんの席まで行った。
「岡坂くん、私も図書委員になったの。これからよろしくね。」
「お、女子の委員は雨川か。よろしくな。」
そう言って笑ってくれる笑顔を見て、この笑顔が、クラスのムードを明るくしてるんだろうな、と感じた。
*
放課後。
委員を早速集めるらしく、岡坂くんと図書室に向かう。
岡坂くんが、図書室までの廊下で口を開く。
「学年が真ん中だとさ〜…」
「うん?」
「後輩も先輩もいて、いいよな。」
「あはは、そうだね。」
気まずくならないように気を使ってくれているのか、会話は他愛もなかった。
岡坂くんは、基本気が緩むようなことばかり考えている。
そのせいか、大柄な割に話しやすい。
図書室の扉を開くと、新委員が集まりガヤガヤと騒がしくなっていた。
「おー、雄大じゃん!委員一緒だな!」
「なんかクラス変わってあんまみなかったな〜、久しぶりだな。」
「おー」
岡坂くんは他のクラスに友達がたくさんいるらしい。
「はーい、では新委員みんな集まったかな〜?」
やたらハイテンションな女子委員が呼びかけると、バラバラとみんなが席につき始めた。
「では、まず自己紹介から行きたいと思います!三年生から順にで!まず私は図書委員長三年、村神 恵(むらかみ めぐみ)です!みんなよろしくー♪」
委員長のキャラからか、どっと笑いが漏れる。
「はい!では、三年生川先 涼子(かわさき りょうこ)さんからお願いしまーす!」
「はい。私は、図書委員は去年もやっていて…」
優しそうな先輩たち。
でも、その中で明らかに冷たそうな先輩がいた。頬杖をついて黒板をじっと見つめている。
きちんと着られたニットからは、いかにも生真面目そうな様子がわかる。
何故かわからないけど、気になった。
(…どうしようかな、やっぱり放送委員は人気あるよね……。えーと…。)
名札を貼ろうとすると、私の他にもう一人、名札を貼ろうとする右手が見えた。
「明里!」
私は思わず、その名前を口に出した。
それが、親友の明里(あかり)だったから。
「さくら!やった!委員会一緒!わーい!」
「明里、まだ決まった訳じゃないから!」
「でもでも、定員が2人だからほぼ確定ー……って…、男子一人いるね…。」
ほんの数秒前まではあんなにはしゃいでいた明里なのに、私と2人じゃ無いと分かった途端しょんぼりしてしまった。
「私も明里と2人で委員したかったけど、しょうがないよ。男女1人ずつだもん。」
「そっかぁ…。」
…確か去年は、明里が委員会譲ってくれたんだよね。
今年はお礼として、譲ろうかな。
…それに、この男子が一緒なら、明里喜ぶよね。
「いいよ、明里がやって。去年譲ってくれたし。それにほら!男子は優希くんだよ⁉アプローチするチャンス‼」
優希(ゆうき)くんとは、今の明里の想い人。
「え…それは有難いけど…でもさくら、いいの?」
「うん!」
「ありがと、さくら。頑張るね!」
明里の恋路をすすめ、また委員会一覧をみると、余っているのは図書委員だけ。
仕方なく、そこに名札を貼る。
もう1人の委員は、クラスのムードメーカー、岡坂 雄大(おかさか ゆうだい)くんだった。
そして挨拶をしようと岡坂くんの席まで行った。
「岡坂くん、私も図書委員になったの。これからよろしくね。」
「お、女子の委員は雨川か。よろしくな。」
そう言って笑ってくれる笑顔を見て、この笑顔が、クラスのムードを明るくしてるんだろうな、と感じた。
*
放課後。
委員を早速集めるらしく、岡坂くんと図書室に向かう。
岡坂くんが、図書室までの廊下で口を開く。
「学年が真ん中だとさ〜…」
「うん?」
「後輩も先輩もいて、いいよな。」
「あはは、そうだね。」
気まずくならないように気を使ってくれているのか、会話は他愛もなかった。
岡坂くんは、基本気が緩むようなことばかり考えている。
そのせいか、大柄な割に話しやすい。
図書室の扉を開くと、新委員が集まりガヤガヤと騒がしくなっていた。
「おー、雄大じゃん!委員一緒だな!」
「なんかクラス変わってあんまみなかったな〜、久しぶりだな。」
「おー」
岡坂くんは他のクラスに友達がたくさんいるらしい。
「はーい、では新委員みんな集まったかな〜?」
やたらハイテンションな女子委員が呼びかけると、バラバラとみんなが席につき始めた。
「では、まず自己紹介から行きたいと思います!三年生から順にで!まず私は図書委員長三年、村神 恵(むらかみ めぐみ)です!みんなよろしくー♪」
委員長のキャラからか、どっと笑いが漏れる。
「はい!では、三年生川先 涼子(かわさき りょうこ)さんからお願いしまーす!」
「はい。私は、図書委員は去年もやっていて…」
優しそうな先輩たち。
でも、その中で明らかに冷たそうな先輩がいた。頬杖をついて黒板をじっと見つめている。
きちんと着られたニットからは、いかにも生真面目そうな様子がわかる。
何故かわからないけど、気になった。