ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
宴は…盛り上がりを見せ、
まるで時間を忘れたかのように…
楽しいひと時は、過ぎていく。
「……え~と…、宴も酣ではございますが……」
その、終焉を告げるお決まりの言葉に。
しんちゃんは…大ブーイングを受ける。
「…ちょっ…、違うって!いや確かにそろそろそーなんだけど、その前に……みんなにみせたい物があるんだ。」
しんちゃんの言葉を合図に。
私は先生から預かった写真を…
端の人から回してみるようにと、促す。
何の写真だったか思い出せない人も…少なくはなかった。
「ああ!やったやった!…そっか…見つかったか~!やべー、懐かしい~。」
一緒に隠した張本人でも…忘れていたり。
「マジウケるんだけど。」
まるで初めて見るかのように…新鮮な反応をする人に。
「だめ、これは絶対見せらんない!」
覚えていて、必死に隠そうとする人もいたり。
写真を見ながら……
各々に、また…盛り上がりを見せる。
この前の私達がそうであったように…
写真に写された瞬間がどんな場面であったのかは……
本人しか…知らない。
「全っ然気配しなかったんだよね。早瀬アイツ何者なんだよ。」
……いや、
もうひとり…いた。
みんなの写真に……
見えない所に、
カメラの向こう側に。
早瀬が……いたのだ。
だからこれらは……
早瀬が見た……世界。
「そのままでいいから…聞いて下さい。矢代先生より…、皆さんに、と…手紙を預かっています。」
この手紙は……
全員が、初めて目にする……手紙。
矢代先生のことだから、面白く可笑しく書いたかもしれないけど……。
きっと、
その声は……
一人一人に届くだろう。