ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
「…………。イカン…、いよいよ幻覚が……?恒生さん、生き霊でも連れて来た?」
「………。いや。」
恒生さんは……
至って真面目な顔をしている。
「しんちゃん!……よく見つけたね、こんなに似てる人…。ネタかなんか?」
「………。紗羽ちゃん、現実を見ようか?」
しんちゃんも…、ふざけたりなんかしない。
「紗羽ー、酔っぱらい過ぎ!本音…ポロリしちゃってるよ。」
利央が……ほらね、って言いたげな顔して…私を見ていた。
「紗羽ちゃん。矢代先生に言われなかった?『底無しのボケはなんとかしろ』『獲物が逃げる。』って。」
早瀬らしき…人物が。とうとう…口を開く。
「……何で………知ってんの…?」
「先生よく見てたからね、俺らのこと。俺も…あの時言われたよ。『勝負時は今じゃないこともある』って。」
「…………。」
「……あの人、実は予言者だったのかも。」
「………………。」
「紗羽ちゃんの写真は…、俺、持ってるよ。」
「……犯人………。」
「ごめん。まさか、みんなの手元に戻ってくるなんて思ってなかった。」
「……………。」
「……ごめん。…って、聞いてる?」
「………何で…?」
「何でって……。……………。今、この場で言っていいの?」
「…………!」
周りには……
にやにや顔した、元クラスメイト達。
制服は着てないけれど…、
あどけなさはもうないけれど。
狭い教室で……
3年間共にした、あの雰囲気そのままに。
好奇心丸出しの……瞳。