ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。






私達は二人並んで……、



会えない間にあった話に…花を咲かせる。





昔と違うのは……、




恋バナじゃなくて。



仕事の話や……


育児の話。





愚痴大会になってしまうのは……



それだけ世間を知って。




吸いも甘いも……



乗り越えてきたから。




いくつになっても、女同士の話は…尽きないものだ。








「…あ。着いた。」





そんな時間もあっという間に過ぎ去って。



辿り着いたのは……



地元に唯一あるファストフード店。





高校時代…、学校帰りによく利用した場所だった。





「外装変わると雰囲気ちがうね。」



先頭立って自動ドアを…すり通り抜ける。






「……さて…、と。」




店内を…キョロキョロと見渡す。




「…あ、……いた!」






店の奥の方から……



ぶんぶんと手を振る二人組。






………変わってない。




二人共……



変わってない!







ツカツカと彼らに近づいて。




「………お久しぶりね。真哉。」



「紗羽、会いたかったよ。俺のトナリ…、ずっと空けてたよ。」



「真哉……!」



妖艶な視線を絡ませて。



私達は……


情熱的な再会を果たす。







………と、




『ちーん』………。





もう一人の男が翳した携帯から…、絶妙な鐘の音が、鳴り響く。






私達3人は顔を見合わせて。



ついには………




笑い出した。





< 15 / 457 >

この作品をシェア

pagetop