ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
私達は二人並んで……、
会えない間にあった話に…花を咲かせる。
昔と違うのは……、
恋バナじゃなくて。
仕事の話や……
育児の話。
愚痴大会になってしまうのは……
それだけ世間を知って。
吸いも甘いも……
乗り越えてきたから。
いくつになっても、女同士の話は…尽きないものだ。
「…あ。着いた。」
そんな時間もあっという間に過ぎ去って。
辿り着いたのは……
地元に唯一あるファストフード店。
高校時代…、学校帰りによく利用した場所だった。
「外装変わると雰囲気ちがうね。」
先頭立って自動ドアを…すり通り抜ける。
「……さて…、と。」
店内を…キョロキョロと見渡す。
「…あ、……いた!」
店の奥の方から……
ぶんぶんと手を振る二人組。
………変わってない。
二人共……
変わってない!
ツカツカと彼らに近づいて。
「………お久しぶりね。真哉。」
「紗羽、会いたかったよ。俺のトナリ…、ずっと空けてたよ。」
「真哉……!」
妖艶な視線を絡ませて。
私達は……
情熱的な再会を果たす。
………と、
『ちーん』………。
もう一人の男が翳した携帯から…、絶妙な鐘の音が、鳴り響く。
私達3人は顔を見合わせて。
ついには………
笑い出した。