ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
「恒生(コウショウ)さんてば、なんでそんなのダウンロードしてんの~?」
「住職には欠かせないでしょ?ホラ、こんなのもあるよ……?」
ニヤリと笑った彼こと…、
羽賀 恒生は……。
再び、携帯を翳す。
ぽく ぽく ぽく ぽく………
「……ぶっ…!木魚…!」
ひたすら鳴り続ける木魚の音に、しんちゃんと二人で笑いを堪えていると……。
「……。……ホント、変わってないんだから。ツッコミ役いなかったらどうなってただろうなあ……。」
背後からおっとりとしたツッコミの声が入ってきた。
「……。……美那子…。」
しんちゃんの顔が…真剣になっている。
「久しぶり、恒生くん。それから…真哉くんも。」
「……って、俺はオマケか。」
「……あはは、ジョーダンだよ。真哉くんもツッコミできるようになったじゃん。」
「お前なあ……。」
穏やかな…懐かしい空気が流れる。
高校を卒業して初めて。
このメンバーが…揃った。
「まあまあ、立ち話も何ですから…。」
恒生さんが諭すようにして……自分の席の隣りの椅子を引いた。
「…こっちは紗羽ちゃん。で、しんちゃんのトナリが…佐田さんで。」
「「「……!!!」」」
「……蟠りなんてもーないでしょ?さあさあ水に流して。ね、元サヤになんてどーせ戻れないんだから。」
「………ホンッット…、変わってないよね。」
仏のような優しい微笑みとは裏腹な……
サディスティック男、羽賀恒生は。
地雷踏みまくりの再会を……
演出してしまった。