ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。







「しかしまあ…、紗羽ちゃんが帰って来てるとはオドロキだったよ。」




「まあねー、まさかすぐに会うことになろうとは予測できなかったよ。」





若者や親子連れで溢れ返る店内で……、


私達は仕切り直しを図って、話の口火を切る。





浅沼真哉は……、


高校で初めてできた男友達だった。


デカイ恐面の風貌と裏腹に……、


惚けたオッサンキャラで、お姉さんがいるせいか…女ゴコロというものを心得ている。



私が「ちゃん」付けで呼ばれる由縁は…


彼に始まる。




当時は私と二人、コントのようにして…


色気ない絡みを繰り返していた。





それから、ボケと言ったらもう一人……。



色白で、のほほんとした顔立ち。


仏のように広いココロで……


ちくりと棘を刺す、寺の住職の息子…



羽賀 恒生。





ウチら3人がボケ倒すのを…冷静に突っ込むのが、みっちゃんの務めだった。




< 17 / 457 >

この作品をシェア

pagetop