ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
学生時代と違って、大人の一日は……駆け足のように、過ぎて行く。
昨日を振り返るよりも、明日を見る。
ゆとりと焦りとが同居する…
不思議な生き物だ。
「明日から、グラウンド使って良いって。年少さんはどうする?」
「……。うーん…、まだこっちで練習します。そう言えばさっき、年長の男の子達、リレーごっこしてましたよ。狭い園庭をぐるぐる…、目が回りそうなくらい!」
「バトン練習始めたからね。すでに珍プレー続出。今年もドラマがありそう…!」
まだ、情緒すらないけれど…、
秋と言ったら、
「読書」
「食欲」
それから……
「スポーツ」!!
あと、2週間余りに迫っているのは……
我が園の、運動会。
お隣りの高校のグラウンドを借りて、広い場所で……
盛大に行われる。
一番のメインは、年長児の全員リレー。
本番では、一人一人が力を発揮する、最高のステージとなるが……
そこに至るまでにも、ドラマがある。
年長にもなると、ルールのある遊びを好み、自分達でルールを確認しながら共通の目標に向かって遊び込む姿が…見られるようになる。
小さな体だけど、ちゃんと…考えも、自尊心も持っていて。
時折ぶつかりながら…
切磋琢磨して。
仲間意識や結束が強まる…大事な時期。
教えるのも、一筋縄ではいかない。
順番になったら、並ぶこと、
バトンのもらい方、
白線の外側を走ること、
バトンを渡したら直ぐに列の後ろに並ぶこと。
転んでも、
靴が脱げても……
最後まで、走り抜けること。
教えることは、山ほどあって…。
それを吸収していく子供達の思いに寄り添いながら…、保育者は、士気を高めていく。