ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。



学生時代と違って、大人の一日は……駆け足のように、過ぎて行く。



昨日を振り返るよりも、明日を見る。


ゆとりと焦りとが同居する…

不思議な生き物だ。




「明日から、グラウンド使って良いって。年少さんはどうする?」


「……。うーん…、まだこっちで練習します。そう言えばさっき、年長の男の子達、リレーごっこしてましたよ。狭い園庭をぐるぐる…、目が回りそうなくらい!」


「バトン練習始めたからね。すでに珍プレー続出。今年もドラマがありそう…!」





まだ、情緒すらないけれど…、



秋と言ったら、


「読書」


「食欲」


それから……



「スポーツ」!!




あと、2週間余りに迫っているのは……


我が園の、運動会。


お隣りの高校のグラウンドを借りて、広い場所で……


盛大に行われる。





一番のメインは、年長児の全員リレー。


本番では、一人一人が力を発揮する、最高のステージとなるが……


そこに至るまでにも、ドラマがある。


年長にもなると、ルールのある遊びを好み、自分達でルールを確認しながら共通の目標に向かって遊び込む姿が…見られるようになる。

小さな体だけど、ちゃんと…考えも、自尊心も持っていて。

時折ぶつかりながら…

切磋琢磨して。


仲間意識や結束が強まる…大事な時期。



教えるのも、一筋縄ではいかない。



順番になったら、並ぶこと、


バトンのもらい方、



白線の外側を走ること、


バトンを渡したら直ぐに列の後ろに並ぶこと。



転んでも、

靴が脱げても……



最後まで、走り抜けること。



教えることは、山ほどあって…。


それを吸収していく子供達の思いに寄り添いながら…、保育者は、士気を高めていく。






< 171 / 457 >

この作品をシェア

pagetop