ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。






゜∴。°。∵。゜。∴。




「あ…、見て、カワイイ~…、幼稚園児がお散歩してる♪」


窓の外を眺めていたみっちゃんが…、私に手招きしてきた。


「ん~……?」


私はうちわでパタパタと顔を扇ぎながら…、みっちゃんのとなりに、肩を並べた。



サウナのような……教室。


うちわに、あぶらとり紙、制汗スプレー…。

夏場の女子の…必須アイテム。






「……。癒されるね…、アハハ、手振ってるし!ばいばーい♪」


私達の声に反応した、引率の先生は…、チラリとこっちを見上げて。

軽く…会釈する。





「うおっ、あの保育士さんめっちゃカワイイ!」


すぐ背後から……しんちゃんの声。



「たまんないよね、あの笑顔。天使か!」


「……。しんちゃん、オッサンくさいよ?」


「馬鹿言え!保育士、看護師、スッチーと来たら、男が食いつく職業なんだよ、なあ、早瀬?」






同意を求められた早瀬は、さほど興味はなかったのか……


自分の席に座ったまま。




「……うん。コドモは可愛いし、好き。息子がいーな。キャッチボールできるし。」



的外れな回答を…繰り広げた。



「………。お前…、話聞いてなかっただろ。しかも、サッカー部としてのプライドはないんか?キャッチボールって。」


「聞いてたっつーの。いいじゃん、俺のささやかな夢なんだし。」


「………。だから、今、理想の女性像の話を…」


「うん、だから…奥さんは子供好きで一緒にキャッチボールしちゃうような人がいい。べつに職業は関係ないけど…保育士だったら、間違いなさそーじゃん?」


ふーん……、保育士…?





「紗羽ちゃん、似合いそうだよね、保育士!」


「……。……エッ、私?!」


そこでなぜ……そう来る?!


「うん。去年の学園祭ん時、恒生の弟とめっちゃ戯れてたじゃん。」


「……そりゃあ…源生くんが人懐こいからで……。」


「でも、スゲー癒された。どっちがコドモか…わかんなかったよ。」


「……すみませんねえ……。」





「向いてるって、俺は思うけどなあ…。」








゜∴。°。∵。゜。∴。






< 176 / 457 >

この作品をシェア

pagetop