ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
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「あ…、見て、カワイイ~…、幼稚園児がお散歩してる♪」
窓の外を眺めていたみっちゃんが…、私に手招きしてきた。
「ん~……?」
私はうちわでパタパタと顔を扇ぎながら…、みっちゃんのとなりに、肩を並べた。
サウナのような……教室。
うちわに、あぶらとり紙、制汗スプレー…。
夏場の女子の…必須アイテム。
「……。癒されるね…、アハハ、手振ってるし!ばいばーい♪」
私達の声に反応した、引率の先生は…、チラリとこっちを見上げて。
軽く…会釈する。
「うおっ、あの保育士さんめっちゃカワイイ!」
すぐ背後から……しんちゃんの声。
「たまんないよね、あの笑顔。天使か!」
「……。しんちゃん、オッサンくさいよ?」
「馬鹿言え!保育士、看護師、スッチーと来たら、男が食いつく職業なんだよ、なあ、早瀬?」
同意を求められた早瀬は、さほど興味はなかったのか……
自分の席に座ったまま。
「……うん。コドモは可愛いし、好き。息子がいーな。キャッチボールできるし。」
的外れな回答を…繰り広げた。
「………。お前…、話聞いてなかっただろ。しかも、サッカー部としてのプライドはないんか?キャッチボールって。」
「聞いてたっつーの。いいじゃん、俺のささやかな夢なんだし。」
「………。だから、今、理想の女性像の話を…」
「うん、だから…奥さんは子供好きで一緒にキャッチボールしちゃうような人がいい。べつに職業は関係ないけど…保育士だったら、間違いなさそーじゃん?」
ふーん……、保育士…?
「紗羽ちゃん、似合いそうだよね、保育士!」
「……。……エッ、私?!」
そこでなぜ……そう来る?!
「うん。去年の学園祭ん時、恒生の弟とめっちゃ戯れてたじゃん。」
「……そりゃあ…源生くんが人懐こいからで……。」
「でも、スゲー癒された。どっちがコドモか…わかんなかったよ。」
「……すみませんねえ……。」
「向いてるって、俺は思うけどなあ…。」
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