ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。


雨は、降ったり止んだりを繰り返し。


運動会は、開会を…宣言された。



真っ先に行われたのは、私が担任を持つ、年少児のかけっこで……。


全力疾走はできなくても、

周りが気になって足が止まっても、

私が待つゴールへと……全員が、たどり着くことができた。


一人ひとりをぎゅっとだきしめて…

沢山、誉め称えた。







早瀬の姿は、もうないけれど…、逆境を楽しんでほしいのは、私も同じで…。







「……ヨーシ、みんな、次は応援頑張ろう!!」



園から急遽持ってきたビニール傘を手に…


テントの外へと、飛び出す。





「傘オバケだ~!!」


子供達が、キャーキャーと喜びの声を上げる。


傘に、目と口をつけただけの…


雨用即席、応援グッズ。



THE・傘音頭!!





なん本か用意して、
危なくないように…先端へと、ビニールテープを巻いた。


これなら、交換こしながら…子供達もできるから。



頭上から、パラパラと音が鳴るのが…楽しいのか。



まるでジブリ映画のトト〇のような表情で……


傘を、にょき、にょきっと動かしていた。








それでも、雨脚は…次第に強まり。


予定していたプログラムの変更を…余儀なくされた。




本来なら、祖父母競技やPTA競技もあったけれど。


園児の競技を最優先して……




プログラム最後の競技、年長児全員リレーへと…移った。






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