ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。






「美那子とは…別れたよ。」




しんちゃんからそんな言葉を聞いたのは……


受験シーズンの真っ只中。





「………。紗羽ちゃん、……忘れたの?」



「…………。」



「高1の初めに…、俺、紗羽ちゃんに告白したじゃん。」











別れた原因は…バラバラになる進路。



みっちゃんはそう言っていて。




だけど…本当は違った。



仲良くなりすぎて…忘れていた。



彼が、私を好きだったこと。



それが……ずっと続いていたことに、



気づけなかった。








「壊したくない、今の関係を…。だから、普通にしよう。」




二度目の告白の後。




私達は…


また、いつもの自分達に戻った。



みっちゃんも…普通を装っていた。




それは、学校という狭い世界に…


捕われていたからであって。



卒業と同時に……



みんなで会うことはなくなった。







みっちゃんが…誘いに乗ることがなくなったのだ。








私は東京の短大へと進学し、

みっちゃんは地元の専門学校へと進み、


しんちゃんは…近県の国立大へ、


恒生さんは…、東京の私立大へ。





バラバラになって。




それでも…、夏休みや冬休みには、会うこともあった。


みっちゃん抜きで……。















もうそれも…



昔の話だ。






゜·∴。°·∵。゜·∴。







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