ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
園長先生からメダルをもらって…、
それでも、俯いたまま……。
その子は、その場を離れた。
私はどうにも気になって…、ずっと、視線を彼へと…送る。
担任でもないし、でしゃばったりは…できない。
例え駆け寄っても、どんな言葉をもって彼を引き上げることが出きるのかは…わからない。
途端に……、
「勇也!」
保護者の人垣を割って出て。
一人の男性が……、わしゃわしゃと、彼の頭を掻き乱した。
大きな…手。
穏やかな…低い声。
「早瀬……?」
いつの間に、戻って来てたのだろう。
いつから…見ていたのだろう。
言葉はなくても、
「………う…、うわあ~…!!」
堰を切ったらかのように泣き出した彼を見ていたら…、
ふと…
思い出した。
そういえば早瀬…、よくあの子と話してたっけ…。
「…………。」
適当な言葉で誤魔化してたのでは…なかった。
早瀬は、ちゃんと…見ていたんだ。