ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
「あの時、ちょうど二人の会話聞いててさ……。」
しんちゃんの声に…ハッと我に返る。
「しばらくしたら、あいつもからも同じ香りするから…相当話題になったんだよ。」
「………。……は?早瀬が?」
……知らなかった。
「まあ、偶然かもしれないから黙っといたけど…。しれっとした顔してそーゆーことできるから…アイツはすごい。」
「……………。」
頭の中で……
知らなかったはずの、高校生の彼らが…映像化していく。
その中で……
早瀬は…、笑っていた。
そう…、
私が彼に抱くイメージは。
いつでも…笑っているってこと。
屈託ない笑顔は、自然と周囲を惹きつけて……。
彼の周りには…
人が沢山いた。
人気者で…、真っ直ぐで。
憧れている人も…、少なくはなかったはずだ。