ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
「…早瀬って言えば…、思い出さね?修学旅行……!アイツが女子を部屋に呼んでさー…」
彼の話は…、まだ続く。
「俺ら馬鹿ばっかして……。」
あ……、それは覚えている。
「サワが酒飲ませられて…、大変だったんだから。部屋に連れ帰るにも重いしさ。」
「………。」
……ん?
そうか、あの夜の記憶は…途中で途絶えている。
後から聞かされたから…、まるでそれが見ていたかのように、記憶がすりかえられてるんだ。
「全くもー、早瀬くんのおかげで、今の『酒豪のサワ』がある訳だ。」
「……え?それって早瀬が絡んでたの?」
三人は沈黙して…顔を見合わせた。
「誰かが言ったものだと思ってたよ。」
みっちゃんは申し訳なさそうに…顔の前で、両手を合わせた。
「紗羽のペットボトルに酒入れたのは…アイツ。」
「…………!!!」
「てか、まるでジュースの如く飲みきった紗羽ちゃんにも…驚いたけどね。」
「…………。えっと…、じゃあ……顔に落書きしたのは?」
「それもアイツ。」
「ええっ?!」
「ちなみにアイライナー貸したのは…美那子だけどね。」
「真哉っそれは言わない約束だったじゃん!」
「……………。」
「……えっと。じゃあ…写真撮ったのは?」
「「「写真?」」」
「うん。…しんちゃん?」
しんちゃんは…慌てて首を振る。
「………みっちゃん?」
「ううん。写真って…どんなのよ?」
「ああ…、恒生さんね?好きそーだもんね、そういうの。」
「………。無実の人間に罪を課せる気?」
………。
恒生さんの背後に…仏が見える…!
「いえ、冗談です。」
じゃあ…、誰が?
「…てか、写真てどんなの?」
しんちゃんが怪訝そうに…首を傾げる。
「私の顔が猫になってて…。寝てる写真。」
「「「…………。」」」
考えこんでしまっている。
どうやらこの場にいる全員…、シロらしい。
「その写真、サワは誰に見せてもらったの?」
「…………。…早瀬。みんなで写真撮り合ってって言ってて……」