ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。








「…早瀬って言えば…、思い出さね?修学旅行……!アイツが女子を部屋に呼んでさー…」



彼の話は…、まだ続く。




「俺ら馬鹿ばっかして……。」





あ……、それは覚えている。



「サワが酒飲ませられて…、大変だったんだから。部屋に連れ帰るにも重いしさ。」



「………。」




……ん?


そうか、あの夜の記憶は…途中で途絶えている。



後から聞かされたから…、まるでそれが見ていたかのように、記憶がすりかえられてるんだ。





「全くもー、早瀬くんのおかげで、今の『酒豪のサワ』がある訳だ。」




「……え?それって早瀬が絡んでたの?」







三人は沈黙して…顔を見合わせた。




「誰かが言ったものだと思ってたよ。」



みっちゃんは申し訳なさそうに…顔の前で、両手を合わせた。




「紗羽のペットボトルに酒入れたのは…アイツ。」



「…………!!!」




「てか、まるでジュースの如く飲みきった紗羽ちゃんにも…驚いたけどね。」




「…………。えっと…、じゃあ……顔に落書きしたのは?」



「それもアイツ。」



「ええっ?!」



「ちなみにアイライナー貸したのは…美那子だけどね。」



「真哉っそれは言わない約束だったじゃん!」




「……………。」




「……えっと。じゃあ…写真撮ったのは?」




「「「写真?」」」




「うん。…しんちゃん?」




しんちゃんは…慌てて首を振る。



「………みっちゃん?」




「ううん。写真って…どんなのよ?」




「ああ…、恒生さんね?好きそーだもんね、そういうの。」



「………。無実の人間に罪を課せる気?」





………。


恒生さんの背後に…仏が見える…!




「いえ、冗談です。」





じゃあ…、誰が?




「…てか、写真てどんなの?」



しんちゃんが怪訝そうに…首を傾げる。



「私の顔が猫になってて…。寝てる写真。」




「「「…………。」」」




考えこんでしまっている。


どうやらこの場にいる全員…、シロらしい。




「その写真、サワは誰に見せてもらったの?」



「…………。…早瀬。みんなで写真撮り合ってって言ってて……」




< 25 / 457 >

この作品をシェア

pagetop