ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。




「……………。」



携帯を…開いて。



君に連絡しようか…暫し、悩んだ。



お土産を渡すのを口実に…会う理由を作ろうか?

それとも…



素直に、会いたいと言うべきか?





悩んで悩んで、悩みぬいた後に……。




携帯を、パチリ、と閉じた。







「……やめよう、きっと今頃…部活だ。」




自分にそう言って聞かせて。



電車が通ったその線路の先を…じっと見つめた。











私が…早瀬を見送った時。


早瀬が…私を見送った時。



同じ光景が…見えたのだろう。




今度、この道の先に行く時が…あるのだろうか?








ここは、ちょっとだけ……。



切ない思い出の場所。







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