ねえ、君にもし、もう一度会えたなら。
改札を抜けて、駅の外に出ると……。
そこには、一面の銀世界が広がっていた。
本格的な冬に…、今履いているショートブーツでは、歩くことは…出来ないだろう。
「失敗したな……。」
まあ、下駄よりはマシだろうけど。
うっかり思い出して。
ブンブンと…首を振る。
郷愁と言うよりも……、早瀬に対する恋しさ…だったのだろう。
邪念を払うようにして、早足で…タクシー乗り場へと向かう。
「………ん?」
タクシー乗り場の近くに。
ちゃがみこんでいる…人がいる。
よくよく見てみると、その人は…
この、極寒の中で…
アイスを食べてるじゃあないか!